大企業で働いていて、なんとなく将来が不安だと感じることはありませんか?
この記事では、新卒3年目で大企業からベンチャーへ、漠然とした不安からの解放のステップを紹介しています。
私は大学院を卒業後、電子部品関連の大手メーカーに入社しました。
始めは新しい刺激にやりがいを持って働いていたのですが、慣れていくうちに細かい不安や不満が積み重なっていき、悩むようになりました。
そして、入社3年目で退職し、約半年間の無職期間を経て、今はベンチャー企業で働いています。
大企業で不安を感じる場面とは?
事業内容に興味を持てない
テレビもスマホも、あらゆる電子部品についても、今便利なのは昔の人のおかげです。
これからはその延長でマイナーチェンジを繰り返すだけなのでしょうか?
少なくとも、今の世の中のどんな課題を解決しようとしているのかが分からなければ、やりがいは持てないと思います。
「会社の方針だから」、「市場が大きくて儲かるから(他社が切り開いた市場を奪う目的)」といった回答のみだった時、本当にこの事業に人生の時間を費やす価値はあるのか不安になりました。
馴れ合いの仕事をしたくない
例えば、新製品の開発職の場合、延期の繰り返しで結局中断することがあります。
問題はその時の対応です。
部の責任、大問題として取り上げられると思いきや、メールで「次の開発テーマはこれを頑張るように」と何事もなかったかのような雰囲気でした。
会社の飲み会ではヘラヘラするといった、危機感のない職場の雰囲気に不安を感じました。
無駄な時間を過ごしている気がする
上司が使った道具の整理整頓、消耗品の補充など、メンバーの多くがもの探し、人探し、データ探しばかりしていることがありました。
開発会議では1日かけても特に重大な意思決定がされることはありませんでした。
朝礼に1時間かかることもよくありました。
朝からダメ出しや犯人探しからスタートです。
よく残業する職場の雰囲気でしたが、時間がもったいなく感じてしまいました。
自分が役に立っている感がない
一つの製品を、数十~100人程度関わりながら、爆弾ゲームのように回していくことで作り上げていました。
そのため、最終製品ができる頃には、自分の努力の成果が見えないどころか、未完成のまま割れたり、行方不明になることもありました。
人事評価面談は1年に1,2回ありましたが、仕事内容の確認と上司の昔話を聞くだけで、私の仕事に対する評価、アドバイスはほとんどありませんでした。
果たして、自分は役に立っているのだろうか、と不安になりました。
これってデータの改ざんじゃないの?
皆面倒な仕事は避けたいものです。
特に、自分のところで不良品が出たとは言いたくないようでした。
時には、不良品が出ても、規格に入るまで何度でも測定し直して、良品として流す人もいました。
また、歴史のある大企業だからなのか、昔ながらの設備や伝統が根付いており、老朽化した設備であっても皆黙って使っていました。
集団心理の悪い点なのか、都合の悪い情報は見なかったことにする、見えないようにする雰囲気に不安を感じました。
寄ってたかってするモノづくりは楽しいか?
試作品一つ作るのにも、仕事は細かく役割分担されていました。
材料調合はAさん、成形はBさん、仕上げはCさんといったようで、私は、条件の指示や日程調整がメインで直接モノづくりに関わることはできませんでした。
従って、ちょっとした異変に気が付いたり、創意工夫をするなどモノづくりの楽しみを肌で感じることができず、いつも、もやもやした感情でした。
中小企業の人たちの方がカッコいい?
ある日、展示会で外の世界を知る機会がありました。
私が大企業の者と知ると、必死に頭を下げて説明に来る人など、社会的な地位を改めて実感しました。
しかし、私のような者に年配の方が頭を下げに来る様子は、正直気持ちのいいものではありませんでした。
むしろ小さな会社の方が、何とか人の役に立とうとする気持ちが伝わってきて、職場のどの上司よりもカッコよく見えました。
自分は、大企業よりも小さな会社の方が合っているのかもしれないと思いました。
大企業は最先端技術を駆使しているは間違い?
私は、新製品の開発メンバーの一員でしたが、毎日出てくる話題は社内にある情報ばかりでした。
出張や学会、論文調査など、社外から最先端の情報を取り入れる人がほとんどいませんでした。
他社が大学と連携しているニュースなど聞くと、さらに自分の会社の将来が不安になりました。
大企業はグローバルな視点を持って成長できるは間違い?
採用時のキーワードには、「グローバルな視点」や「TOEIC」などが掲げられていた一方で、入社後は外国人と全く関わりがありませんでした(実際に関わるのは海外営業の人)。
学生時代に必死に勉強した英語はいったい何だったんだろうとむなしくなりました。
行きつく先は優秀な歯車?
将来自分がどうなるかは、職場の先輩や上司を見ているとだいたいイメージすることができました。
指示されたことをこなすだけ、過去の慣習に習って動くだけ、言い換えると会社に管理された歯車のようです。
年功序列が通用しなくなってくる世の中で、将来の自分が通用するのかとても不安になりました。
不安を感じたらどうしたらよいか?
書き出してみる
漠然とした不安の状態は、小さな不安が積み重なっている状態だと思われます。
具体的に、一つずつ解決するために、まずすべて書き出してみることをお勧めします。
ノートに書きだす、スマホのメモ帳を使う、日記を書くなど何でもよいので、自分の頭の中にある不安を目で見えるようにすることで、冷静に考えることができます。
以下の記事では、日記を書くメリットを紹介しています。
日記を書くコツは、数値化とグラフ化
大企業で働くメリット・デメリット
仕事の規模が大きいのは大企業の魅力と思いますが、細分化された仕事で社内でしか通用しない人材になりかねないのはかなりデメリットに感じます。
そもそも、身の回りでこれだけ豊かな世の中になったのに、それやる意味あるの?っていう仕事も多いように感じました。
以下の記事では、実際に、大企業で働くメリット・デメリットを紹介しています。
大企業とベンチャーで3年ずつ働いて分かったこと
転職・フリー・進学
大企業での不満をもとに、具体的にやりたくないことややりたいことを書き出したら、解決方法を考えてみます。
大企業で働く以外の選択肢は何があるのかをまとめてみました。
転職
まずは、リクナビネクストやDODAなどの転職サービスに登録しましょう。
実際に私は、退職する半年ほど前に登録しました。
そして、担当の方と面談をする中で、具体的な選択肢や進め方などを相談していきました。
特に、自分が今までやってきた仕事を履歴書にまとめる作業は、自分を見つめなおすいい機会です。
転職のメリットとしては、やりたいことがあればすぐに実行できる可能性が高いこと、デメリットとしてはやはり人間関係で、大企業と同じく、意識低い社員が周りにいた場合に流される懸念があります。
独立
youtubeなどを見ていると、若くして独立している人がたくさんいます。
メリットとしては、嫌な人間関係ややりたくない仕事から逃れられること、デメリットとしては、毎日孤独や不安に駆られるのでは?という懸念や、そもそもモノづくり系、特に部品などの製造業でフリーで生きていくということが自分にできるのだろうかといった不安です。
進学
自分の武器として、大学で博士号を目指す、できれば留学もしたい気持ちもありました。
メリットとして、世界一の専門性を身につけて、稼ぐ力をつける第一歩にできる、デメリットとして、学んだ知識を将来の仕事に活かせる保証はない、仕事をしていく上での組織の責任などを身につけにくいなどが考えられます。
次の進路を決めてから退職すべき?
誰かに相談すると必ずと言っていいほど、「次を決めてから退職すべき」とアドバイスされます。
もちろんその通りだと思いますが、今この記事を見ている方は、「それができないから悩んでいるんだよ…」という方もいると思います。
そんな方へ、私は、覚悟さえあればいつ辞めてもいいと思います。
実際に私も、進路を決め切れずに退職し、半年間の無職期間を過ごしたのちに転職しましたが、ちゃんと生きています。
気持ちの落としどころは、長引けば新たな仕事も来るため余計辞めづらくなる、100万円あればなんとか1年は生活できるだろう、最悪バイトしながら過ごそう、無職時代を過ごすのも立派な人生の経験だ、と自分に言い聞かせていました。
体調に耳を傾ける、異変を感じたらイエローカード
迷った時の判断基準の一つとして、「自分の健康を第一に」があります。
自分の健康が分かるのは自分だけです。
家族や友達ではありません。
以下の症状が一瞬でも出たらイエローカードです。
- 人の挨拶や笑顔などに反応できない
- お笑い芸人見ても笑えなくなってきた
- 眠時間は確保しているのに日中眠い
- 毎日下痢が続く
- 顎に痛みを感じる
- 背中に痛みを感じる
- 目を開けているのに視界がぼやける
- 耳が遠くなる
- 吐き気がする
この辺が自分の限界なんだなと思い知ることになります。
それからは、続けるか辞めるかではなく、どう辞めるかを真剣に考えるようになりました。
退職の流れ
規定集をチェック
退職を決めた後、会社の規定集をチェックしました。
3年未満だと退職金はもらえないことや、退職の申し出は2週間前までに言うなどが分かります。
また、身近に退職された方がいれば、参考にするのがいいです。
(先輩は1か月前くらいに言って辞めたらしいな。引継ぎもあるし円満退職考えて自分も1か月前くらいに言っとくか。など)
規定集の内容や自分の考えと照らし合わせて退職の具体的なタイミングを決めました。
退職願の作成
- 退職願は、「退職したい」と願い出るための書類です。
- 退職届は、退職することが受理され、退職日が確定したのち、「退職」を会社に対して届け出るための書類です。
- 辞表は、社長や取締役など雇用関係のない立場の人が役を辞することを届け出る書類です。
(リクルートの記事より)
今回は、上司に退職したいと願い出る、「退職願」を準備します。
「退職願」を作成しました。
紙は100円ショップで買いました。
書き終えたら封筒に入れました。
ブラックな上司だと破り捨てられることがあるとか、渡しても放置されるなども聞いたことがあったので、念のため2通作成しました。
退職願は面談のお願いをして、面談で渡すのがいい
まず、面談をお願いし、面談で退職願を渡すといった流れの方がスムーズです。
失敗例:
私は、作業服の内側に退職願を忍ばせて一日を過ごしました。
出来るだけ人目につかない場所、確実に上司がいる時間帯を狙って、帰り際に渡しました。
直属の上司一人だと、隠ぺいされる懸念もあったので、上司とその上司が2人で話しているタイミングを選びました。
なかなか勇気が出ず、うろうろしていた所、「なんだお前、はよ帰れ!」と怒鳴られたので、イラっとした気持ちを利用して「すみませんが、これお願いします!」と退職願を上司の手元に置きました。
「こんなもの受け取れるわけないだろ。また話聞かせてもらうわ」と、後日面談する運びとなりました。
上司との面談は一回目が重要
面談は計3回行われました。
課長(直属の上司)+部長→事業部長→事務の人といった流れでした。
普段から仕事で関わる上司との1回目の面談が一番中身のある内容だったと思います。
以下の記事では、実際の面談で聞かれたことを紹介しています。
実際に退職面談で聞かれたこと
毎回、念のため、ばれないように録音しながら面談するようにしました。
他の社員の士気を下げないため、退職については口外しないように言われました。
仲の良かった同僚にも打ち明けることはありませんでした。
仲の良い口の堅い同僚くらいには言っておいた方が、心強かったかもしれないと思いました。
退職当日は忙しい
朝一で、お世話になった人へメールをし、朝礼で退職のあいさつをしました。
その後社章、社服の返還など諸手続きを終え、余った時間に個人的にお世話になった人にあいさつに行きました。
急な報告に驚きつつも励ましてくれた方も多く、別れの寂しさや、次の進路が決まってない不安もあって、一人ロッカールームに逃げ込み泣いてしまいました。
寮に帰宅後はすぐに、荷物をまとめて車に詰め、寮を出ました。
帰りの道中でも、清々した気持ちというよりは、悲しさや不安で泣いてしまいました。
ただし、長距離ドライブということで、泣き疲れて、平常心に戻ることができました。
大企業を辞めた効果と後悔は?
楽しいことが2倍に増えた
退職前は、毎日大企業や上司のために働いているという気持ちが強く、マイナス思考で、嫌なことに目が行きがちでした。
ところが、退職後は、自分の人生を生きているという実感がわくようになり、楽しいことが2倍に増えました。
プラス思考になるコツは、毎日日記を書くことで、自分を客観視することだと思います。
以下の記事では、日記を書くコツを紹介しています。
日記を書くコツは数値化とグラフ化
無職期間には、祖父の車を売る手伝いをしたり、時間を気にせずゲーム三昧、高校の友達と久しぶりに会ってUSJに遊びに行く、youtubeで人狼ゲーム鑑賞にはまる、ストリートマジックをしたり、ヒッチハイクするなど、とても有意義な時間を過ごせました。
退職後、家族との接し方
私は、次の進路を決め切れずに退職をしたので、無職期間を過ごすことになりました。
当然ながら、家族からのヤジは不可避です。
なぜ辞めたのか、どうして親の言うこと聞かないんだ、大企業なのにモッタイナイ、次も決めずに辞めるなんてありえない、これからどうするつもりなんだ、などです。
必ずしも納得させる必要はないですが、少なくとも頑張っている感は伝えるといいと思います。
おそらく、親は怒っているように見えても、久しぶりの子供とのやり取りはどこか嬉しく思っているはずです。
私は以下のように家族と接するようにしました。
- 実家に帰宅後すぐに図書館の近くにアパート借りて家出(ネット環境確保、一人になりたい)
- ハローワークに行く、ある程度結果も伝える
- 転職フェアに行く、ある程度結果も伝える
- 昔の大学の先生に相談に行く、ある程度結果も伝える
- 企業展示会に行く、ある程度結果も伝える
- たまには家族サービスする(祖父の車を売るのを手伝った)
関連記事:無職中に勉強した本一覧
ベンチャー企業で働くことになったきっかけ
私は、進路をなかなか決め切れず、転職先を見つけるか、留学先、大学を見つけるか、並行して進めることにしました。
結局、偶然の出会いからベンチャー企業で働くことになりました。
転職先は、リクナビネクスト、DODA、ハローワーク、転職フェア、企業展示会を回りました。
ハローワークは、特に行きたいところがなかったのですが、主に失業保険目当てでした。
転職フェアは、行きたいと思えるところはありませんでした。
留学先、大学を見つけるため、まず行きたい分野に関する論文をgoogle scholarで100本読むことにしました。
行きたい分野がドイツが進んでいることが分かったので、東京のドイツ大使館やDAADで、ドイツ留学について情報を集めました。
卒業した大学の先生に相談すると、「中国など、世界からは必死に進学したい学生が山のように連絡来る、進学したいならすぐ動け、もっと必死になれ」と注意され、心が折れそうになりました。
具体的にやりたいことがあるなら、転職サービスもいいですが、企業展示会で直接知り合うのが一番効率がいいと思いました。
偶然ベンチャー企業で働くこととなった出会いの流れとは、
- 博士課程に進学を目指して研究テーマを考える
- →ネタ探しで企業展示会に行く
- →ある中小企業の事業内容に興味を持つ
- →その後偶然DODAからその中小企業が人材募集しているとの連絡が来る
- →進学のネタ探しのために面接、現場見学に行く
- →その中小企業の事業をベンチャー化する話を知る
- →進学じゃなくても、ここに入社してもよさそうと思う
- →入社が決まる
- →事業をベンチャー企業として切り離す
改めて感じるベンチャー企業で働くメリット・デメリット
まとめ
以上、新卒3年目で大企業からベンチャーへ、漠然とした不安からの解放のステップを紹介しました。
実際に大企業とベンチャーで3年ずつ働いて分かったことを以下の記事でも紹介しています。
大企業とベンチャーで3年ずつ働いて分かったこと
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